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”運動学の専門家”がカーフキックについて解説してみた

 

2020年の大晦日、RIZIN26で行われた朝倉海 VS 堀口恭司 にて、堀口選手はカーフキックを中心に試合を組み立て、優位に試合運びをして海選手を圧倒し勝利しました。

怪我、そして手術後の長期離脱からの復帰戦が早くも海選手とのタイトル戦となり、ファンの中でも堀口選手不利予想の声も多かったですね。

 

砂辺選手のTwitterです↓↓↓ 初戦の時とは異なり、勝敗予想が割れていますね。

 

yasu
それだけに、堀口選手の復活は衝撃でした。

 

さて、本日はカーフキックについて”運動学”を生業にしているわたしが簡単にではございますが考察してみました。

 

yasu
よければ最後までお付き合いください!

 

 まずはじめに

 

yasu
まず、カーフキックとはなんぞやという話です。

これ、カーフキックとは言っていますが、いわゆる普通のローキックですね。ただ、相手選手のどこを蹴るのかという話です。

 

カーフ(calf)といえば、一般用語でいうと”ふくらはぎ”になります。

つまり、通常のインローなどは大腿部を蹴りますが、カーフキックでは、相手選手の下腿部を蹴ります。特に下腿外側部になります。

おおよそ、下の画像の通りで、下腿の外側部です。↓↓↓

画像引用元:gonkaku.jp

 

 筋肉へのダメージ

おもに、下腿外側に走行している筋肉としては以下の筋があげられます。

  •  腓腹筋
  •  ヒラメ筋
  •  長短腓骨筋
  •  長母趾屈筋 

 

これらの筋は、足関節の底屈筋(足首を下へ向ける、地面を踏み支える動きをする筋)になります。

yasu
つまり、繰り返し蹴られると、足で地面を踏ん張れなくなります。

 

さらに、下腿外側というのは、大腿部(ふともも)と比べると筋自体のボリュームが薄く、ダメージをうけやすい状態になっています。

 

 神経へのダメージ

 

おもに、下腿外側に走行している神経としては以下の筋があげられます。

  •   総腓骨神経
  •   浅深腓骨神経

 

これらの神経は、筋に覆われて守られているのですが、さきほど説明したように下腿外側というのは筋肉が割と薄い場所になります。

 

yasu
ですので繰り返しカーフキックを蹴られると、軽い神経絞扼(神経の走行がさまたげられる)状態になります。

そうすると、足のしびれや足の運動制限、さらに感覚が鈍くなるなどの症状が生じます。

 

カーフキックというのは、人体の弱い場所に集中的にダメージを与える。そんな攻撃の一つになります。

 

 カーフキックのリスク

これは、格闘技ファンならだいたい予想すると分かる方もいらっしゃると思うんですが、

 

yasu
カーフキックを相手選手にカットされると蹴ったほうが大けがをしてしまうことがあるんです。

 

具体的にいうと、下腿の脛骨、腓骨の完全骨折です。UFCの試合で、実際に蹴った選手が大けがをしました。

 

まずは、2013年に行われたUFC168 アンデウソンシウバ VS クリス・ワイドマン です。

 

yasu
この試合はワイドマンのもつタイトルにアンデウソンがダイレクトリマッチで挑戦するかたちでしたね。

 

2Rにアンデウソン選手が左ローキックをはなちますが、ワイドマン選手がチェックします。その瞬間、アンデウソン選手の下腿(脛骨、腓骨)は完全骨折してしまいました。

 

yasu
その後、アンデウソン選手は手術→リハビリを経て復帰しました。

 

また別の大会でもカーフキックを蹴った選手が大けがをします。

さきほど、アンデウソンシウバ選手を結果的に受傷させてしまったワイドマン選手。今度は彼が蹴った側として受傷してしまいます。

2021年4月に行われたUFC 261 ユライア・ホール vs クリス・ワイドマンにて 1Rにワイドマン選手が右足でカーフキックを蹴りました。同時にユライア選手が下腿を外側にむけて上手にチェックします。

 

ワイドマン選手は右下腿の脛骨腓骨を完全骨折してしまいます。

 

yasu
おそらく、選手としての復帰としては1年以上かかる大けがです。

 

カーフキックは蹴るときに、足首付近で蹴るとまだ良いのですが、脛(すね)付近で蹴ってしまい、さらに相手選手にカットされると大けがのリスクがあります。

 

 

 まとめ

 

朝倉海 vs 堀口恭司 2 を観て、

  • カーフキックなんてずるい!
  • 正々堂々と殴りあえ!
  • こんな決着望んでいない!
  • カーフキックは卑怯だ!
  • 禁止しろ!

 

と思った海選手のファンももしかしたら多かったかもしれません。

 

ただ、ワタシが今回まとめたように、カーフキックというのは相手の防御テクニック次第では、

 蹴った側が大けがをするリスクがある非常に危険な蹴りです。

 

この敗戦で、海選手もカーフ対策をしっかりと練習したようであり、選手としての引き出しがまた増えたのではないでしょうか。

 

yasu
 これからも、日本格闘技界の発展に目が離せません!

 

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