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2021年の5月30日にK-1の横浜大会 in 横浜武道館が開催されました。
K1バンタム級日本最強決定トーナメント。新星があらわれましたね!
黒田斗真選手です。

画像引用元:K1公式サイト

1dayの過酷なトーナメントを圧倒的な力で勝ち上がり、決勝では優勝候補と目されていたKrushの同級王者壬生狼一輝(みぶろ・かずき)選手を衝撃のなんとたったの31秒でKO。

結果的に、この日は1日3試合のトーナメントで合計5度もダウンを奪いました。まさに圧勝でした。バンタム級という軽量階級でKOを奪うのはかなり大変なことだと思います。
そんな黒田選手の強さを”運動学”を生業にしている私が簡単にではございますが分析してみました。
構えはサウスポー
まず、構えはサウスポーですね。おそらく左利きのサウスポーではないかと思います。山本KID選手は右利きのサウスポーでしたね。
彼のサウスポーの特徴として、左手で自分の左顔を隠すようにガードしているんですね。これは珍しいと思います。
こんな感じです。

画像引用元:K1公式サイト
相手の右フックやカウンターを警戒してのガードだと予想されます。顎をしっかりと守ってますね。

彼が奪うダウンはほぼ得意の左ストレートになります。突き刺さるような強烈なストレートですね。ボクシングの山中慎介選手のような強烈な武器だと思います。
フットワーク
両側の踵(かかと)をつねに上げたままで前後左右にフットワークしているんですね。
POWER OF DREAM所属の選手みたいなフットワークですね。

あまりどっしりと構える感じではなく、常にリング内を動きまわっています。小動物のようです。
踵を浮かしているので、俊敏なフットワークが可能になります。
ただ、両足底をしっかりとマットに設置したほうが身体はどっしりと安定しますね。クリンチの展開になった時や、至近距離でのインファイトとなった時には、黒田選手は割と対戦相手に吹っ飛ばされている印象です。
それは欠点かなと感じます。
強力な打撃
バンタム級という軽い体重(53kg)でこれだけKOを奪えるというのはすごいですね。

相手の力もうまく利用し攻撃しているのではないでしょうか。
先日のトーナメントの試合内容を繰り返しみた感じですと、得意としているのは、
- 左ストレート
- 膝蹴り
- 左ミドルキック
ではないでしょうかね。
その中でも左ストレートの殺傷力がもっとも長けているようにみえます。早いし、正確だし、なにより伸びてますね。
打ち終わりに左肘が完全に伸展していますね。あと、フットワークの際には両踵をあげてますが、攻撃時にはしっかりと地面に体重をのせてますね。
ファイトスタイルのまとめ
黒田選手のファイトスタイルを簡単にまとめると、
- 軽快なフットワーク
- 強力な打撃(左ストレート、膝蹴りなど)
- 顔面のガードを徹底
だと思います。
試合中動作の分析

池田幸司選手との試合を観て感じたことをまとめます。
まず、目についたのが
①基本的には左ストレートをいかに当てるか。その射程圏内に相手の顔がちょうどくるように黒田選手は移動してます。
つねに左ストレートが伸びきった位置に対戦相手の顔がきています。
今回のトーナメントで疑問に感じたのが、すべての選手が黒田選手の左ストレートがちょうどあたる位置へしらないうちに移動しているんですね。
もっと左右に回ったら良いと思うのですが、前後に移動するので常に黒田選手の左ストレートの射程圏内となり彼の攻撃が冴えわたってましたね。
②対戦相手の攻撃は基本的には前後の動きでよける。
池田選手のはなつハイキックやローキックも、カットやガードするというよりは前後によけていましたね。これは1dayトーナメントにおいてはダメージの蓄積がないのでかなり効率的かなと感じました。
相手のキックもカットするというよりはよけてましたね。

③クリンチやインファイトを嫌う
準決勝での松本日向選手との試合では、時折インファイトとなり明らかに不快な表情をしていました。
おそらく、黒田選手としては自分の左ストレートが伸びきって相手の顔面をとらえられる距離で戦いたいのかなと思います。
至近距離でクリンチ状態になると、相手を転倒させたり、審判が間に入るのを待ったりして至近距離での打ち合いにはあまり応じません。
弱点?

今回のトーナメントの相手選手たちは、なぜか黒田選手の左ストレートの射程圏内を移動していました。黒田選手がそういうふうに上手く誘導していたのだとは思います。
試合を観ていて感じたのが、対戦相手は黒田選手の正面には立たずに、時計まわりに動きながら、黒田選手の前足を繰り返し右ローキックすればよいのではないかなと思いました。
また、左ストレートがかなり危険なので、距離をつめてガチャガチャのインファイトにもっていったほうが良いように感じました。
黒田選手相手にはストレート系のパンチで勝負すると打ち負けてしまうと思います。

まとめ
K1バンタム級にあらわれた黒田斗真選手。これからあらゆる選手が分析し対策しながら挑戦してくると思います。
