伝統派空手出身の総合格闘家、キックボクシングのチャンピオンクラスの選手は意外と多いです。
よろしければ、最後までお付き合いください。
伝統派空手とは
伝統派空手(でんとうはからて)とは、古伝(古流)またはある程度の伝統的な技術に基づいて稽古や試合を行う空手道の流派や団体のことみたいです。
- 狭義では 寸止め空手のことを指します。いわゆる極真空手などのフルコンタクト空手とは別のものです。
- 広義では 形・型の伝承を通じて、その習得と研究・応用を進める流派を指します。 この場合は寸止めではなくても、伝統的技術を重視する団体が含まれるので、防具付き空手団体も含まれます。
また、日本空手協会などの「当て止め」と言われるルールを採用する団体・流派も含まれる。
全空連(全日本空手道連盟)に加盟している流派・団体 → 伝統派空手
4大流派
それぞれ紹介していきます。
①剛柔流(ごうじゅうりゅう)
剛柔流空手は四大流派として世界に普及しています。 接近戦を想定しており、円の動きで相手からの攻撃を交わし、短い距離で爆発的な力を出す技術が特徴です。剛柔流の形は接近戦を想定しているため、相手から掴まれた時の外し技や関節技などがふんだんに盛り込まれています。
剛柔流の創始だる「宮城長順」先生は、以下のような言葉を残されています。
”人に打たれず 人を打たず 事なきをもととするなり”
動画ものせてありますので以下リンクを参照してください。
剛柔流空手道・山口剛史からのメッセージ&三戦演武/Gojuryu Karatedo: A performance and message by Goshi Yamaguchi - YouTube
②糸東流(しとうりゅう)
首里手と那覇手の両方の流れを組む流派のようです。突きや蹴りだけでなく投げや逆技といった技術を含んでいます。
総合武道の色が強いのが大きな特徴ですね。最小限の動作が基本で派手な技こそありませんが、それは実践・理論的に技を究明した結果といわれています。
③松濤館流(しょうとうかんりゅう)
遠い間合いから飛び込んでの攻撃が強みのようです。攻撃技・受け技など1つ1つの動作がダイナミック、伸びやかな体の使い方をするのも大きな特徴です。真実は定かではないですが、テコンドーのベースにもなったと言われています。
松濤館流における代表格の型といえば「慈恩」といわれ、「平安型」と似ている型です。
④和道流(わどうりゅう)
柔術の色が強く、沖縄空手とは一線を引いているといわれています。また本土四大流派においても唯一の本土発祥流派閥。
他の三流派はいずれも沖縄出身者を流祖としているようです。技術的には「転位、転体、転技」を重視し、「流す、往なす、乗る」技法を有する。形よりは組手に強いようですね。
フルコンタクト空手経験者のかたでも伝統派空手に関しては不明確な点が多々あります。興味あるかたは各自でお調べください。
伝統派空手出身の格闘家
①堀口恭司選手
画像引用:日刊スポーツ公式サイト
RIZIN世界バンタム級王者、元Bellator 世界バンタム級王者、日本人史上初のBellator世界王者です。元修斗の世界王者でもあります。
堀口選手のファイトスタイルは今でも伝統派空手の名残がしっかりと残っていますね。堀口恭司選手の空手の流派は四大流派の一つである松濤館流空手です。
しかし、朝倉海選手との第1戦のように、踏み込みがするどいぶん、カウンターを受けた時のダメージは計り知れないという欠点もありますね。おそらく、堀口選手の体格的にも、いわゆるフルコンタクトスタイルで外人選手と打ち合っていたら、ここまで戦績は残せていないのではと思っています。
②山崎 秀晃選手
画像引用:日刊スポーツ公式サイト
K1屈指のハードパンチャーである山崎選手も実は伝統派空手出身ですね。流派は堀口選手と一緒で松濤館流空手です。
第5代K-1 WORLD GPスーパーライト級王者、第3代Krushライト級王者。第4代Krushスーパーライト級王者。Krush初の2階級制覇王者です。
山崎選手も堀口選手のような鋭い踏み込みと一撃必殺の拳を武器に数々の衝撃的なKO勝利を残しており、
「壊し屋」「Golden fist」の異名を持っています。
③リョート・マチダ選手
UFC世界ライトヘビー級チャンピオン。空手家の父親・町田嘉三とブラジル人の母親との間で生まれました。空手では2度のブラジル王者、南アメリカ選手権での準優勝などの実績を持っています。
UFC98のUFC世界ライトヘビー級タイトルマッチで王者ラシャド・エヴァンスに挑戦しKO勝利。
試合後のインタビューでは「Karate is back!!(空手が復活したぜ!)」と雄叫びをあげて、自身のバックボーンである空手への誇りを言葉にしています。
リョート選手も、流派は堀口選手と山崎選手と一緒で松濤館流空手です。相撲でも結果をだしており、ブラジル相撲選手権準優勝されています。
④そのほかの伝統派空手出身の格闘家
- ロバート・ウィテカー(元UFC世界ミドル級王者)→剛柔流空手
- 堀江 圭功(RIZIN)ファイター→剛柔流空手
- 沢村忠選手(キックの鬼)→剛柔流空手 などなど
まとめ
伝統派空手は基本的には寸止めなので、それだけではキックボクシングや総合格闘技で勝ち星を上げ続けるのは不可能だと思います。
ただ、バックボーンとして、その後にレスリングや柔術、打撃力をあげ総合力をあげれば、独特の間合いで攻撃する伝統派空手は相手を錯乱させ有効的に試合を運ぶ手段には十分なりえると考えます。
日本人のように、外国人と比べるとフィジカルで劣る場合、遠い距離からの踏み込みでの攻撃は効率的かもしれません。近い距離でインファイトとなると、フィジカルも優劣がおおきく影響するように思います。