今日は朝倉海選手の弱点を“運動学”
はじめに
まず、これは運動学とは関係ないのですが。
朝倉海選手は2019年8月18日のRIZIN18のタイトルマッチで”史上最強のMade In JAPAN”といわれる堀口恭司選手に勝利しました。この試合含め、憂流迦戦、扇久保戦あたりが朝倉海の実力を高く評価するきっかけになったと思います。
堀口にKO勝ちしたことは、考え方によっては朝倉海の弱点になっていると思います。
堀口は日本MMA界随一の実力者であり、
下に続きます。
朝倉海と堀口恭司の戦績や経歴の違い
まずは堀口恭司。世界MMAの最高峰のUFCで高い勝率をキープ。UFCのタイトルマッチまで到達しています。DJには惜しくも敗戦しましたが、互角ともいえるハイレベルな攻防を見せました。
当時のDJは本当に鬼ツヨでした。化け物レベルでしたね。
デメトリアス・ジョンソン | 5R 4:59 腕ひしぎ十字固め ※敗戦 | 2015年4月25日 |
ダリオン・コールドウェル | 3R 1:13 フロントチョーク | 2018年12月31日 |
イアン・マッコール | 1R 0:09 KO(左フック) | 2018年5月6日 |
アリ・バガウティノフ | 5分3R終了 判定3-0 | 2016年11月19日 |
次に朝倉海です。
渡部修斗 | 1R 3:22 TKO(パウンド) | 2021年6月13日 |
扇久保博正 | 1R 4:31 TKO(サッカーボールキック) | 2020年8月10日 |
佐々木憂流迦 | 1R 0:54 TKO(ドクターストップ : 顎の骨折) | 2019年10月12日 |
マネル・ケイプ | 5分3R終了 判定2-1 | 2018年5月6日 |
国内トップ選手には早いラウンドで勝利。しかし、世界の強豪とは拳を交えた経験が少ないです。
練習環境も堀口はATT。朝倉海はトライフォースであり、指導内容の質もかなり違うと予想されます。なによりスパーリングパートナーのレベルもかなり差があります。
しかも朝倉海は、元々の格闘技デビューはThe OUTSIDERになります。しのぎを削って経験を積んできたとは言い難いです。
堀口とは実績が比になりません。
長島自演乙選手が青木真也選手を倒しても、長島選手はMMAのトップ選手とはなりません。
朝倉海は“日本バンタム級トップ選手の1人”
運動学的にみた朝倉海選手の弱点
朝倉海の動作を運動学的に分析します。
身体のパーツバランスを考えると陸上、
理由を挙げます。
足が長く重心点が高い
よく朝倉海への評価として“腰が強い”というのがあります。これは、まず絶対にないです。この体型で腰が強い事はまずありえません。
実際に対戦した渡部修斗選手も「打撃はすごい破壊力だった。ただ、腰は強いとは思わなかった。」と試合後に大沢ケンジさんのyoutubeで言っています。
朝倉兄弟はやたらと自分達が腰が強いと自分たちから発信しています。これは、対戦相手へのテイクダウン予防の為の伏線だと思います。
格闘技において腰が強いというのは、重心点が低く腰から大腿そして下腿にかけて筋ボリュームがある選手です。
画像引用元:スポニチ公式サイト
上記の太田忍(写真右)をみてわかるように、足が短く重心位置がかなり下ですね。あと、広背筋、前鋸筋などの筋ボリュームがすごいです。逆に彼らの欠点は三角締めなどを仕掛けるには足が短すぎます。
太田忍の体型的には”テイクダウンして塩漬けにする””テイクダウンしてポジションキープしたまま終始パウンド”こういうファイトスタイルに向いています。
彼らのような体型の選手が得意とするのは、グラウンドでの膠着状態から、
ただ、
- 体幹筋力が強い
- スピードが半端ない
これは間違いないです。打撃の時も体幹の正中位保持力が素晴らしいです。軸回転で右パンチを打っていますね。
上記の2つにより、対戦相手はなかなかテイクダウンを奪えないように見えます。
ですので、朝倉海は腰が強い。ではなく、
真面目すぎる
これは、運動学と直接関係ないですが。朝倉海のyoutubeを観ていて感じるのですが、
躊躇のないサッカーボールキックや強烈なパウンドなど、試合中の残虐性というか野生感はありますが、相手の嫌がる事を徹底的にやるという意味では不足していると思います。
彼は格闘技とは違うスポーツのアスリートとしてのほうが成功したのではと思います。彼が運動している動画をたくさん観ましたが、
MMAファイターとしては下腿が細い
彼は、足が細過ぎます。特に両下腿が細いですね。大腿はわりとしっかりしていますね。渡部修斗選手や所英男選手も細いです。
画像引用元:RIZIN公式サイト
堀口戦後にカーフ対策を習得したとは思いますが、ヤマニハ戦では何度か攻撃を受けていました。
今後、彼がもし海外団体へ移籍した場合、海外トップ選手と戦う中でまず必ず下腿を狙われます。しかも、
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パンチなど打撃への依存
朝倉海はストライカーであり、
ただ、右パンチがボクサーの打ち方です。
画像引用元:efight
つまり、
左の足底面をしっかりと床に接地させ、
強いパンチを打てば打とうとするほどに、左下腿ががら空きになります。
つまり、堀口恭司がカーフキックを当てて圧勝した。あの戦法はかなりベストに近い戦略になります。
まとめ
彼の試合動画をみていると、弱点は他にもたくさんあります。
しかし、国内バンタム級トップ選手であるのは違いないですし、身体能力が化け物レベルなのも明らかです。
そして何よりも好青年であり、格闘技にかける情熱もとても高いものだと感じます。さらに若い。
また改めて彼の動きの特徴を追加でまとめたいと思います。